猫の思い出…。

さて、毎朝、通勤電車内で借りた本を貪り読んでいる。
本には、よく猫が出てくる。私も元来無類の猫好きである。もう7年ほど前になるが、17年間も猫と暮らしていた。名前はハチという。雄であった。ヤツは、私が、失業して、無職で籠もっているときもよく慰めにきてくれて部屋に出入りした。「どうした? 元気出せ」といわんばかりに睨みを効かせ、Macintoshの入った箱に爪をたて、ビリビリにして、おまけにキーボードの上に寝そべり、くつろいだりした。憎めないヤツだった。私は、ハチがもうそれはそれはかわいくて、ペットというよりは親友、いや、それ以上に接していた。心から好きだった。ヤツは、毛並みが荒く、ごわごわして、抱くとゴツい感じのするオス猫だったが、その匂い、毛触りもすぐ昨日のことのように思い出せる。

寒い冬には、誰もいなく、私だけ二階にいるのを知ってか、階段を上がってきて、下のストーブをつけろ、と要求してきた。付けるポーズだけして上がると、また上がってきて、睨みを効かせ、付いてないじゃないか! と怒るのである。

本当に猫というやつは長く付き合うと離れられなくなる。もう猫と離れて数年来、寂しくて寂しくて。猫を再び飼いたいと思う今日この頃なのである…。

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