私の音楽趣味について…。

音楽を本格的に好きになったのは、高校生の頃。
その頃は、オフコースやYMOなんかを毎日聴いていました。いわゆる流行りものです。ごく普通の高校生でした。(^^ゞ

当時、まだ、LPレコードというのが、普通に出回っていて、私の音楽体験というのは、レコードが全てでした。最初、小学校の頃に初めて、音楽の授業で音楽室の物々しい鍵のかかったレコード棚から、ベートーベンやらビバルディやらを先生がかけてくれました。ターンテーブルに乗せて、トーンアームの針を落とすと、ボコッという音がして、しばらく沈黙のジリジリするスクラッチ・ノイズを聴き、やがて、バーンと始まるのです。

しかし、初めて耳にする本格的なオーディオ装置に私は、目を輝かせ、すぐさまステレオなる雑誌を買い求めました。6年生くらいの子供には、まだまだ高尚過ぎて中身はわからんことだらけでしたが、それでも有名メーカーの広告などがひしめき合っていて、当時は、普通に一般市民の間にオーディオブームがあったのだな、と感じました。

また、親戚の叔父の家に遊びに行った時、居間にドーンとTEACなるブランドのオープンリールレコーダーが鎮座しており、もう、夢中になってみておりました。さすがに超お宝なので、すぐに部屋から追い出されてしまいましたがねw。(^^ゞ

さて、CDが出回りはじめたのが、私が大学生の2年生くらいかな?二●●●無線って名前も仰々しい家電店がありました。そこで、始まってまだ、コレクションが数百点しかないくらいCDは貴重でした。お値段も1枚4000円ほどもしましたから、初めて買おうという時は、ほんとに清水の舞台から…、ってな具合でして、まず、何もわからず背伸びしてジャズのマイルス・デイビスの"Round about midnight"を買ってみましたところ、これがイイのなんの! たちまちジャズという音楽の虜になりました。

●油井正一著、ジャズ・コレクションの楽しみ方、:「ジャズ・ベストレコード・コレクション」、pp.8-9、新潮文庫、1986.

ジャズ・レコードの効用
現代のようにスケジュールが過密になり、誰もが時間に縛られて動かなければならないようになると、ゆっくりコンサートに出かける暇など1年に数回もみつかれば上等ということになる。しかしホッと一息いれた時など好きな音楽に身をまかせたい、と思う。誰しも思う。
そういう時にこそレコードが、次の仕事へのエネルギーを補給してくれる。
ジャズメンの創造エネルギーは、たしかに次の仕事に立ちむかそうとする人をプッシュしてくれる。鼓舞激励してくれる。
「ジャズをきくと、仕事をしようという意欲が湧いてくる」と、その効用をたたえる人が多いのは、美しいものをつくりだしてゆこうとするプレイヤーの気魄が、何かをせずにはいられない気分に、きく者をかり立ててくれるためであろう。
好きなときにきける。という効用のほかに、録音技術が進歩したレコードには、コンサートで味わえない数々の利点がある。
コンサートできける音は、オーディオできく音に比して劣悪である。PA装置(場内拡声)が満足できるコンサートなどまず無いし、そこで拡大される音はモノラルである。視覚がそうした欠点を補ってくれるとはいえ、他の聴衆の雑音や不愉快な行動に悩まされることも多い。
やはり好きなレコードを、好きな時間に、好きなだけ楽しむのが、ベスト・リヴィングを目指すときの大切な選択となろう。
 まず、ジャズという音楽をもっと知りたいなー、ということで、上記の入門書を買いました。ジャズ・ジャイアンツという人たちについて、一渡り解説されているのと、ジャズという音楽が絶えず進化しているものであり、二度と同じスタイルでの演奏はない、ということ。アドリブが真骨頂なこと。などがわかりました。

そして、次第にアルバムを片っ端から買い求め、聞き惚れるようになったのでした。
やがて、もう一つ転機が訪れました。mp3です。

なんとオーディオCDから楽曲を吸い出して、圧縮して、メモリに入れて持ち歩けると…。

すごい世の中になりました。それで、コレクションを片っ端から、ipod shuffleに放り込み、また、インナーイヤホンに凝って、高級品をチョイスし、通勤電車の中でいつも聴いていました。

結局、私の好みで、最終的にコレクションしているのは、セロニアス・モンクとビル・エバンスです。

対照的な二人ですが、モンクは早熟の天才。最初のブルーノート盤の三枚組にすべて天才の遍歴が散見されます。オリジナルは超個性的で作曲家として天才であることがわかります。

いっぽうのエヴァンスは、というと、アドリブですね。流れるような美しいタッチのピアノでいつもしびれっぱなしなのですw。それにこの人は、昔の流行歌が好きらしく、歌ものを美味しくエバンス流に料理して聞かせてくれるので、いつも聞き惚れています。

ま、他にも、チャーリー・パーカーのダイアル盤は私の気分の沈んだ時に慰めてくれる特効薬ですし、もっと沈むと、マル・ウォルドロンのレフト・アローンなんかも聴くようになります。極めつけはエリック・ドルフィーのフルートが素晴らしい! ラスト・デイトですね。

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