私のお宝。古物への思い…。

solida (five pin)は、高校生の頃、ニューサイの片隅に乗っていた広告で見かけて欲しくなり、注文して届いた逸品である。その後、しばらく自転車から遠ざかっていて、片隅に追いやられていたが、中年になって再び自転車熱が再燃し、発掘された。

このクランクは鉄の鋳造品で大変重量がある。しかし、その細い華奢な作りと、今どきでは珍しくなった直線のデザインが好きで、よく組み付けてみたりした。友人からは、そのデザインからめがねレンチクランクなどと呼ばれていたりした。

鋳造品であるため、大変剛性が高く、ダンシングなどしてもびくともしない。カタログで見ると、どうやらフランス製のようだ。ペダルのスレッドは不思議に持っているものは、BSCであった。どうやら輸出品ということか…。

私は、往年のこうした細いクランクに魅せられている。今のロードバイクに付けているようなカブトガニのような太いクランクに嫌気がさしていて大昔のツールで活躍した選手が使っていたような細い細い鉄のコッタードクランクが欲しくてたまらない。duprat鉄コッタードとか…。しかし、どうしても手に入れるのかと言われるとそうでもなく、ただ、写真で眺めていられれば、それで満足である。嬉しいことにこうした古物の総合カタログがWEB上にできつつあり、お金をかけなくてもコレクションを手元に置いているのと同じ満足感が得られる。古美術品と似通ったような満足感かもしれない。個人所有には限界があるが、美術館に行けば、いつでも眺められるというような…。

コレクションはほどほどにしないと古物商のように家中がなってしまい、置き場所に困る。そうかといって放ったらかしにすると部品が痛む。どうせ墓場までもっていけないのであるから、コレクションも使わない部品は死蔵品で実に可哀想なことになる。古物も溜まってきたらもう1台となるところだが、年齢的にこれ以上台数を増やすと、終活時に実に迷惑になることになるし…。

いやはや、古物というのは、面白い。ヘッドバッジのコレクターも世界中にいるようだが、ヘッドバッジほど、お国柄が出る代物もまたとないだろう。

今、また日本製の古物品の人気が上昇中だとか。スギノとかサカエ、シマノ、サンツアー、ダイアコンペなどなど、ヨーロッパ部品を模倣して、必死に追いつこうとしていた高度経済成長期の部品に人気が集まりつつあるようである。がんばれ!日本というところか。

今の日本には暗いニュースばかりでこうした元気だった時代に郷愁がつのるのも無理はないと思う。この頃の部品で一番好きなのは、スギノのプロダイクランクである。どちらかというとレアなコッタードの方が好みだ。この頃のスギノのカタログを見ると、フロント4枚のものも試作されていたようである。”若さで勝負する”ってなキャッチコピーが載っていて笑ってしまった。ホントにこの頃の日本人は元気で明るかったのだなー、と思った。
(=^・・^=)

コメント

人気の投稿