紀勢本線の車窓の思い出…。

以前、堺市に住んでいたころ、休日に思い切って、電車でできるだけ遠くへ行こう、と思い阪和線に乗って和歌山へ向かった。そこから先、紀伊半島をぐるっと一周してみようと思い、海側の席に陣取る。

南紀白浜を過ぎる頃から景色は海岸沿いをギリギリ通るようなコースを取り、トンネルの連続である。枯木灘の荒々しい景色がとっても魅力的だった。

電車といっても私が利用するのはいつも普通列車である。この手の列車は窓を開けられるようになっているのがいい。夏場は冷房などもあるので、おおっぴらに開けられないが、開けると潮風が入ってきて旅情をそそる。

こうした海岸の素敵な景色は新宮市まで続く。串本あたりの橋杭岩も圧巻であった。ノコギリの歯のような点々と連なるその奇岩を車窓越しに見惚れていた。

私が、なんといっても一番好きなのは新宮市からJR東海に乗り換えての路線である。特に紀勢本線最後の開通区間といわれる新鹿あたりの景色がとても好きだ。透き通ったビーチに戯れるひとたちの姿。まもなく真っ暗なトンネル。ひとつ抜けるたびに違う湾の漁村の風景が広がっていて、見ても見ても見飽きない。

九鬼駅など長大なトンネルとトンネルに挟まれていて秘境駅のようだ。

今もYoutubeでこのへんの車窓を延々流して見たりする。

松阪まで乗って、名物の松阪牛弁当を食べ、ここで近鉄に乗り換えて鶴橋経由でアジトに戻った。実に延々7時間にも及ぶ列車の旅だったが、途中下車はせず、延々乗っていたので、肩が凝った。

乗り鉄もなかなかに楽しいな、とこの時思ったものだ。 遠い夏の思い出である。
(=^・・^=)

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