今宵もジャズ…。

疲れて帰ってきて、真っ先に聞き惚れたいという音楽がある。
その日の気分によって違うが、最近は、あまりハッピーな曲を好まない自分が多い気がする。

今日の選曲は、Eric Dolphyである。彼は、マルチプレーヤーで、元々、器用な人だったようだ。ソプラノサックスや、フルートなどの多くの管楽器を自由に操り、誰の真似でもない独自世界を作り出している。このLast Dateとはまさに彼にとって最後の作品となったものだ。ベルリンにが演奏旅行に行ってた矢先、突然の心臓発作でなくなる数時間前に録音された壮絶な生録音盤。ラジオか何かの収録だったのか、観客の拍手の音も入っているようだ。この5曲めのYou don't know what love is.がいつもよく聴く曲だ。スタンダードだが、まさに俺のことか?と思ってしまうような曲である。しかし、この歳まで紆余曲折あって、だいたい、人生も50年も経つと、酸いも甘いも…。それ相応、いろいろあってしかりである。

それにしてもイントロのフルートのソロが何度聴いても泣かせるのである。

続いて、John ColtraneのGiant Stepsを聴いている。この曲は短い小節でなんでもキーチェンジを繰り返す、物凄い、コルトレーンの必死さが身にしみる名演である。後に彼と共演した大先輩のDuke Ellingtonは、そんなに一生懸命吹かなくてもミューズの神は逃げはしない、と進言したそうなw…。

この曲は、ものすごいテンポで突き進む曲ゆえ、つい、自転車のチューブラーの疾走感を連想してしまう。カンカンに10気圧ほどもエアーを充填した丸タイヤは、シューンという快走音とともに舗装路を疾走し、風となっていく…。

いつもダウンヒルでこの曲が耳で鳴っている。
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