チューブラータイヤとパンクの思い出…。

もう、かれこれ10年くらい前の話になる。その頃、チューブラータイヤに初めて乗り始めて間もない頃だったと記憶している。紀伊半島のど真ん中からちょっとはずれたくらいに風伝峠という峠がある。それをひとつやって、意気揚々と集落に降りてきたところ。

後輪がなんとなくガチガチいうので、見てみると、見事にぺしゃんこ。そう、パンクである。チューブラータイヤであるからして、修理というよりは、交換となる。まだ、チューブラーに慣れてなく、嵌めるのにも一苦労。延々1時間近くかかったと思う。

すでに時刻は日暮れに差し掛かっており、なんとしてもこの辺境の地でのナイトランは避けたいところ。幸い、やっと、両面テープ(カーペット用w)の上にタイヤは収まり、空気圧をあげて、乗って走れる状態になった。やれやれである。

正解を言うと、タイヤを嵌める際にほんの少し、タイヤが膨らむ程度に空気圧をあげておき、リムの下を両足でしっかりと固定し、最後の残ったタイヤ部分を引っ張れば難なく入ったのである。しかし、このほんのちょっとのコツを知らなかったがために、非常に難儀したことを記憶している。

さて、これが、もし、同じく辺鄙な場所でもう一回パンクしたらどうなるか? 
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

普通にスペアタイヤは一本しか携行しない。それ以上になるとかさばるからだ。昔は、針と糸とパッチの修理キットなるものが売られていたっけ。なんと、チューブラーのステッチを切り開いて、中からチューブを引っ張り出し、パンク箇所をパッチで修理して、また糸で縫って中にチューブを収めるのである。今は、タイヤも安く手に入るようになったしステッチを切ってしまうと、タイヤのセンターが狂ってしまうので、私は、使い捨てにしている。

話を戻すと、チューブラーはこういうとき、最終手段でリムが逝ってしまうのを覚悟で走りきることが可能だ。もともとタイヤが強固にリムに接着されている構造のため、途中、空気を補充しながら、パンクしてぺちゃんこになっても走ることは走る。非常にゆっくりだが、走れるのである。こうして、最寄り駅まではなんとか辿りつけるだろう。

私が、タイヤやリムにあまり高価な部品を使わないのは、こういう事情もある。いざとなったら、こういう強行突破策を取る覚悟だからだ。

あさひなどのちょっと専門の自転車店には、今でもチューブラータイヤは置いているようだ。700cのチューブラータイヤにこだわるのは、手に入りやすいという事情もある。

まあ、私などは、自転車は道具と割り切っているので、故障したら修理。それでもだめなら、部品交換となる。昔のツールドフランスの動画などを見ていると、上半身にたすきがけでクロスでタイヤを巻きつけて走っている選手の姿を見るが、昔は、サポートも今ほど手厚くなく、その場で選手自身がタイヤ交換していたのだろうか。そういう選手の姿を見るとなんだか勇気が湧くのである。何があっても自転車は前に進むのだと…。
(=^・・^=)
 

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