自転車部品の変遷…。特殊工具の出番が少なくなった。

時代とともに自転車の部品も進化しているように思う。BBは私の場合は、ホローテックは一台だけ。あとは、全部四角軸のコッタレスクランクである。この四角軸のBB部であるが、昔は、右ワンと左ワンに分かれていて、中にバラ玉あるいはリテーナーのベアリングを入れてグリスをたっぷり塗り込み、組み立てて左ワンで球当たりを調整し、組み付けていた。この時、右ワンが特に専用の特殊な工具が必要であって、メーカー車の場合、相当にきつく締まっているものであった。

私のコレクションにもVARや宝山といった工具メーカーのこれらの専用工具がある。しかし、今は出番が少なくなったものだ。ほとんどがカートリッジ式の一体型BBの四角軸仕様であって、右ワンや左ワンに専用のヒダのような形状の専用工具を使うが、取り付けは以前と比べるとずいぶんと楽になった。

組み付け時のテクニックとしては薄いワッシャーを右ワン側にかまして、チェーンラインを調整する、という方法がある。数ミリ程度の差であるが、これでしっくりくる場合が多い。多くの場合、左右のペダル取付部のQファクターが大きすぎるように感じる。

こうしたカートリッジ式BBには丹下やシマノなど多くのメーカーが出していて、どれを選ぶか悩ましいが、私はシマノ製を選んでいたりする。軸長も豊富であるから便利だ。

もう一つ、部品の変遷で書きたいのがブレーキ部である。ランドナーの場合、伝統的なカンティ式のものを付けてきたが、昔のマファッククリテリウムなどのブレーキはデザインがいいものの、スプリング強度が強すぎて、引きが重かった。それに片効きする場合の調整法も難しかった。ところがだ。今のカンティブレーキにはきちんとスプリング強度の調整や片効き調整のネジが付いていたりするのである。至れり尽くせりである。

だいたい、ブレーキという部品も値段幅が広く、ピンキリの世界である。数千円程度から1万円以上するものまでいろいろある。カンティブレーキでも好き嫌いが分かれるところであるが、シマノ製が好きだったりする。シューなどの安定供給という面もあるが、まずは組み付けやすく、調整しやすいというのがその理由。欠点としては、アーチワイヤーを輪行時に外しにくいところである。

昔はカニ目レンチといって、小さなピンが2つカニの目のようについたその名の通りの専用工具があって、ヘッドナットやBB部などに使用していたが、今は出番がない。これもユニークな形状のVARの専用工具を持っているのであるが、ほとんど工具箱の肥やしとなっている。

こうしてみると、自転車は量産化のために徐々に組み付けのしやすさが優先されて、特殊な工具を減らすという方向になってきているようだ。マニアとしては寂しい限りであるが、昔の自転車などをレストアする際には今でもこうした伝統的な専用工具の出番がある。

専用工具も一通りだいたい揃ったが、終活を念頭にいれて、これ以上収集するのが正しいのかどうか、非常に悩むところである。
(=^・・^=)

コメント

人気の投稿