新聞スクラップの思い出。

今から十数年前まで、ネットがなかった頃、私はよく新聞記事を切り抜いてペタペタと貼ってスクラップブックにしていた。自分の気に入ったキーワードの見出しを付け、すぐ検索できるように50音順に並べて閉じていた。

スクラップしていたのは、恐竜関係の科学記事とかである。
新聞記事というのは、世界中の記者が足で聞き込みをやり、書いた記事で信頼性が高い。今のネット記事のように出所不明で怪しいようなことがない。それと、客観性があって、私は好んで新聞記事を切り抜いていた。この切り貼りという作業がまた楽しかった。だいたい、その日の朝読んで気になった記事に赤鉛筆で印を付けておき、帰ってから切り抜く。そうしないと、まだ新聞を読んでいない家人から苦言を呈することになる。

一旦、紙袋に放り込んでおき、週末とかになると選定しながら、貼り付けることになる。ここで取捨選択し、あえて必要ないと思ったら、捨てる。これが案外大事だった。何でもかんでも貼り付けているとすぐに容量がいっぱいになってしまうから。

こうしてできた自分だけの百科事典のようなファイルは結構読んでいて楽しかった。お金もない頃、趣味と実用を兼ねてこうした作業をちょくちょくとやっていた。こうしたことを続けると立派な自家製百科事典ができあがることになる。

今は、新聞記事も有料でデータベース化されており、申し込めば、過去膨大な数の新聞記事を横断的に検索して、必要なリストを作ることができるらしい。だから今時はもう新聞スクラップなんて悠長なことをしている人はいないかもしれないが、不思議なことに文房具売り場に行くと、今もスクラップブックなる商品を見かけることがあるので、やはり需要はあるのかもしれない。

一つテーマを決めてコツコツとスクラップをやれば、面白いことになるかもしれない。ま、後悔するのは、自転車関連のスクラップをやっておけばよかったかなということであるが、自転車に関するネタは驚くほど少ないため、それほど溜まらないかもしれない。

昔から科学記事が好きだったので、こういうことをやっていたが、スペースが無くなってきたので、自然と消滅した。今はやっていない。

今は、ネットで記事が読めるようになったのでスクラップできるようなアプリもあるようだが、検索すればごそっと出てくるので、それほど不自由しない。

便利になったがなんだか味気ない。
新聞紙のあの匂いが懐かしい。
(=^・・^=)

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