スポーツ自転車はどこへ向うのか?

 コロナに席巻された一年だったな。

さて、2022年になった。といっても元旦そうそうから出勤の私には特に感慨深いものはない。(・∀・)

最近の自転車の流行をみてみると、まず、ロードバイクのディスクブレーキ化の進行がある。市場から一気にリムブレーキ関連の部品が消えてきている。このままでいくと数年先にはもう、リムブレーキ用のリムや、キャリパーブレーキ類がカタログから消えるだろう。

私のように旧来のランドナーを愛好している者としては非常に驚異を感じている。といっても世間的には私らのことを旧車好きの人、というのでひとくくりにされているようだ。ほんの30年くらい前の自転車に乗っていても旧車と言われるご時世である。

それと、市場ではほぼ完組ホィールが当たり前になったことかな。この点で一番私が危惧しているのは、ホィールを手で組むという技術である。今どきの自転車屋さんでは、まともにホィールを手組できないところもある、とか。

リムブレーキ用のホィールとディスクブレーキ用のホィールでは基本的にスポークの交差方向が違う。こうした職人的技術を後世に伝えていくというのができるのか、と心配しているところである。

手でホィールを組んでみるとわかるが、スポークのあやとりは実に奥の深い技術である。巧妙に力が分散されるようにスポークを張るのである。ハブの穴数などによって、交差する数も違ったりする。

自転車が発明されて以来、受け継がれてきたこうした職人技術が、完組ホィールばかりになってしまうと、廃れてしまうのではないか、と危機感を感じている。

それと、スポークなどのバラ売りがいつまで続くのだろうか、という心配もある。部品単価の安いこれらの部品をショップもそれぞれの寸法で維持しておくというのも相当に負担がかかるだろうから、早晩、こうした商売を辞めてしまうのではないか、と心配なのである。

スポークはホィールを構成する部品ごとに寸法が決まる。わずか数ミリ違うだけでも組めない。スポーク長計算をして、だした寸法のスポークを自作できれば一番いいが、このためのスポーク製作工具は非常に高価である。まず、素人では購入が難しいと思われる。

手組ホィール支持者が一定数居れば、少しは安心かと思うが、今はロードバイクに乗る人はまず、完組ホィールだろうから、将来が心配なのである。

それと、電動アシスト車の普及が一気に進んだ年だった。市販のママチャリクラスのものが最初に出てきて、まあ、関係ないかと思っていたら、次々と軽量でスポーティな車種が出て、ちょっと値が張るが、買おうと思えば買える。

中高年のサイクリストが増えてくると、坂道の多い日本では電動アシストのサイクリング車というのは売れると思う。

自転車の進化であるが、基本、これまでは人間の力で進むものという考えが普通だったが、電動アシスト車が出て、一気にその考えは崩れた。さらにディスクブレーキ化などで各部の部品の構成がややこしくなり、素人がちょっと調整したり修理したりできるものではなくなった。要するに自転車の自動車化である。

自動車のように修理や、調整は専門ショップへ行け、ということか。今は、サイクリングを楽しむという人が増えているのは喜ばしいがトラブルに自分で対処する、という考えを持っている人は少ないように感じている。

最低でも自転車はパンク時のチューブ交換くらいは自分でできないと安心して遠出できない。町中ならいいが、ショップのない山の中などでは自分で自己解決する他方法がない。

どんどん、自転車のメカが油圧だとか、電動だとかややこしくなってきているが、一過性のレースでサポートもついていればどうにでもなるが、個人がサイクリングで楽しむのなら、そうしたややこしさは無いほうがありがたい。

やはり旧車と言われようが、私は昔のサイクリング車が好きである。

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