オークションのこと。

 インターネットが本格的に普及するようになって何が一番楽しいか、というとオークションだったりする。もちろん、古物部品の渉猟である。

昔はマニア同士が対等で、古物部品の売買を行うというのは不可能だった。そうした手段がなかった。しかし、一挙にインターネットがそれを解決した。

以来、希少な部品がないか、と日々覗いているわけである。時々、レアな、よくこんなものを持っていたな、というようなブツが出ることがある。しかし不思議と人気がなく、入札履歴が寂しい。

ウォッチャーはそれなりにいるようで、気がかりだ。入札するかしまいか…。悩むのである。一番の悩みは終了時刻である。

私は早寝早起きのため、臨戦態勢を整えて臨むわけにはいかない。だいたい、私が寝た後に終了するのが常である。

今回も気になる逸品が出ているようで、気がかりだ。いったいいくらくらいまで金額が上がるのだろう?と想像している。

どうしても落としたい部品の場合、自動入札で、大枚を叩くことになる。しかし、そうして逸品が手元に届く頃には、小躍りして喜んでいる自分がいるのである。

入手した部品は使用せずしまい込むなどという無粋なことは絶対しない。とことん、大事にして組付けて使用感を味わうのである。

コッタード好きの人ならわかると思うが、この頃の部品はとくに味わい深い。しぶとくなかなか抜けないコッタードクランクにとどめを刺すがごとく、ハンマーでぶっ叩いたのか、手痛い打痕がクランクに残されていることがあったが、それもまた味である。

相当クランクピンが奥深くまで食い込んでいたらしく、手痛い手術となったのだろう。いやはや、コッタードクランクを抜く、という作業は想像を絶する難行苦行である。専用工具を持っていようと、年季の入ったコッタードクランクを抜くのは容易なことではない。

他にもビンテージ品は時々、輝きを放つ。ソービッツのピン球。言わずと知れた可愛い逸品。これをFキャリアの先端にブラケットで付けるのが流行ったな。電線はもちろん内蔵。凝る人は、なんとフォークコラムにも工夫を凝らし、フル内装を試みたものである。

この辺の製作記事もNC誌には出ていたように記憶する。

毎朝、こうして海外や日本のオークションを眺めていると、好事家というのはつくづく世界中どこにでも居るもんだなぁ、と感心するのだった。

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