例のコッタードその後…。仕事が済んだらまた仕事w…。(・∀・)

↑これが、例のプジョーについてるコッタードクランクです。今どきの人は見たことないと思うけど、ちょっと昔までこういうささがきのようなコッターピンというピンをクランクに打ち込んで回り止めとする、というような方法がまかり通っていたのです。しかも、国内にはこれを抜き取るような専用工具もなく、町の自転車屋のオヤジどもは、ダブルハンマーといって、プラスチックハンマーをまず、コッターピンにあてがい、その上から鋼鉄のハンマーでぶっ叩くというような野蛮な方法でしか、この難攻不落のコッタード式クランクを取り外すすべはなかったのでした。写真は、オイラが、いつもやってる方法でして、回り止めというか安全策として、革製のストラップでクランクをまず固定し、ピンのナットを抜いて、上からVARのコッターピンプレスにて、圧をかけて抜き取ります。

↑これが、オイラ自慢のVAR#07 cotter pin pressなる工具です。全長が50cmほどもある大型工具でして、重量もかなりのもの。しかし、これくらいのド迫力の工具をもってしないとコッターピンは抜けません。

↑こちら、依頼主の店主。エール氏です。もうだいぶ昔からの付き合いでして、たまたま住んだオイラのワンルームの近所のお店でした。それから、もう数年来ずっとお付き合いさせていただいております。orz 本日もお昼を近所に最近出来た定食屋があるっていうんで、二人して出かけ、エール氏のおごりでカキフライ定食を頂いてきました。^^; 写真は、一旦、圧を駆けた後に再度、ハンマーでピンを叩いておるところです。それでもびくともしない。いよいよ、難攻不落かな、と思ってきましたぞw。(・∀・)  

↑さて、右側のギアがついたほうは、コッターピンプレスにて、難なく抜けました。どうだ、参ったかぁー!って具合に雄叫びを上げるオイラなのでしたw。今までこいつでオチなかったコッターピンはないのだよ、こいつでなw…。(^_^;)

↑さて、午後の部へと突入した二人でしたが、相変わらず、左クランクはびくともしません。クランクは鉄。シャフトも鉄なんですが、どうして、こうも固着が強固なのか…?合間にCRC-556を吹き付けて浸透させたりw…。さんざんあの手この手でいろいろ作戦を変えつつやっていきます。写真は、左側を外せたので、万力に一旦固定して、サンダーで折れたコッターピン頭部をならしているところ。平面にしないとせっかくの圧入工具の本領が発揮できません。なので、準備中と…。 

↑こちら。売り物ではないけど、エール氏自慢のポタリング車です。鉄の年代物のコッタードがついていて、渋い味わいを醸しだしております。こういうので日曜日に公園などおしゃれに着飾って流すといっそうかっこいい、かとw…。(・∀・)

↑元アパレル店だっただけに衣類は豊富です。年代物の自転車のウェアを収集している方はぜひ!

↑往年のメーカーランドナーがずらりw…。値段的には、オイラが買いたいくらい。しかし、コレ以上台数増えると家人より死刑にされそうなので、買えないw…。('A`)

↑手術は、延々4時間ほどにもなってきて、そろそろ二人のおっさんも疲れがピークになってきました。途中、ティーブレーク。それと、コッタードを諦めて、左クランクを破壊する、って荒治療となりました。なーに、クランク1本アウトになってもシャフトは温存できるし、もちろん、ワンもw…。ということで、組付け候補になったのは、在庫にあった古いシングルのコッタレス(四角テーパークランク)です。アルミ製なので、微々たる軽量化かなw。

↑後は、現物合わせで後ろ5段に合うようにチェンラインの調整に入ります。見た目いっしょだけど、微妙にベアリングレースの間隔が違ったりして、付けたり外したりw…。延々…。やっと最適なものを発見し、やれやれであります。

↑BB内部のスラッジを拭き取り、グリスを塗っているエール氏です。これ、面倒でも絶対にやっておかないとまた、数年先にバラす時、死にますw。確実に…。

↑とうとう左クランクを諦めて、電動サンダーで鉄クランクを削り出したエール氏です。火花が道に飛び散ってちょっと異様な光景にw…。路行く人が皆、びびってたなw。(・∀・)

↑これが、すでに処刑台に備え付けられた鉄製左コッタードクランク。シャフトがっちり付いたままw…。 (・∀・)そして、手前に控えるはVAR #07 cotter pin press なる伝家の宝刀です。こいつで今まで抜けなかったピンはない!

↑無事に左クランクの手術も完了し、コッタレスに生まれ変わったプジョーくん。やれやれ…。

↑散々手こずらされたけど、結局、左クランク一本と引き換えに、生まれ変わったプジョーくんです。すでに売約済みだそうです。
本日、約束していたとおり、堺市のエール氏のお店にお邪魔しておりました。目的は、例の売約済みのプジョーの左クランクをなんとしても抜いてほしいとw…。

さっそく、VARのコッターピンプレスやら、固定台やらを持込、作業をしてきたわけ。

最初、びっくりしたのは、エール氏。どうやら、無理をして左クランクをこじらせてしまったようでw…。見事、ネジが飛んでいて、首がない! こじらせクランクなわけでしたw。仕方ないので、まず、折れた箇所にナットなどをかまし、上から静かにコッターピンプレスを挟み込み、膨大な圧力をかけます。

びくともしません。外してみると、挟んだナットが潰れていましたw。(・∀・)
いかに膨大な圧力がかかったのかがわかるというもの。
作戦変更で、今度は、CRC-556なんかを吹き付け、小型ハンマーで周囲をもしもし、という風にコンコンと叩きながら、浸透を図ります。

今度は、タガネをあてがい、折れたピンの上からハンマーで叩き込みます。
びくともしません。そのうち、クランクのピン周辺部まで変形してきましたー。

もうそろそろ限界やな…。
さて、どうするか…。

いったん、腹が減ったので、二人のおっさんは近所にオープンしたばかりという定食屋へ行きます。エール氏がお礼におごってくれ、二人して、カキフライ定食を食べました。熱々でおいしかったー!!

エール氏は三杯お代わりしてましたなw。(・∀・)

さて、帰還後、今度は、相談し、もうこのクランクを諦めることにしました。抜かないわけではないんです。クランクを破壊する、と…。

最終手段です。どうしてもレストア中に取り外せない部品に遭遇したら、どこを残すか、考え、被害をなるべく最小限に抑えられるように考えて、作業をします。

最終手段とは、右クランクを外したので、フレームから左クランクは外せることになったため、電動サンダーで左クランクのピン周辺を削りこみ、途中、CRC-556などを浸透させつつ、圧力をかけていく、という作戦。

これが、見事的中でした。
さっきまで火花を散らしまくっていた左クランクに、「どうやら、俺を本気で怒らせたみたいだなぁー」と凄みつつ、コッターピンプレス工具を充てがい、一気に体重をかけて、ハンドルを降下。

スルッと、なんとも言えぬやわらかな感触。「逝ったかも…。」とオイラ。
エール氏。やったー!! 抜けとるでー!

という顛末で難攻不落の左クランクは外されました。当然、左は没。
右だけあっても使えないので、結局、コッタレスに生まれ変わったというわけw。

しかし、ここまでせんと外れないとは、いやはや、圧力がかかる部分には充分グリスを塗ってから取り付けてね! ってことでした。

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