泥除けについて。
自転車の部品でいうと最近はあまり見かけなくなった部品に泥除けがあるかと思う。昔のサイクリング車と言われていた時代にはどの自転車にも必ずこの泥除けがついていたものである。いや、私が言っているのは、簡易なプラスチックのものではなく、金属でできたステーでガッチリと固定されている泥除けである。
昔のカタログなどを見ていると、この泥除けにもいろんな種類が出ていた。まず、その断面形状から八角型とか丸型とか溝ありとかいろいろ…。
断面だけでなく表面の仕上げも違いがあった。アルマイト仕上げとかバフ仕上げとか。あと、ハンマートーンのような型を押したような亀甲柄のものもある。
ランドナーというと太い42Bのタイヤに亀甲柄の泥除けをつけるというのが一つのステータスだったような気がしている。今でも私のランドナーのうち、一台にはこの亀甲柄が付けてある。しかし、凹みができると亀甲柄は修復が難しく、そのままになっている。^^;
泥除けは雨の日に走った経験があれば、どれほどありがたい部品なのかわかると思う。顔への泥はねの防止。後続車への配慮など。恩恵は計り知れない。泥除けなしでもし、雨天を走ると全身泥だらけとなり、その日の宿に入るのが憚られる。
輪行の際も泥だらけの身なりで電車に乗るのは気が引けるものである。なので泥除けは必須な部品だと今でも思っている。もっとも、日帰り前提で、天気予報でも降水確率が限りなく0%なら泥除けは必要ないだろうと思う。
この泥除けであるが、自転車部品の中で最も組み付けが難しい部品の一つだと思う。一度でも本所などの未加工の泥除けを買って付けたらわかると思うが、穴あけの位置決めの難しさは言うに及ばず、フロントなどの場合は更にキャリアの固定ネジの穴も開けないといけない。これもずれると大変である。穴あけは一発で決めないと失敗が許されない。ものすごく神経を遣う難しい作業である。
前後の泥除けを組み付けるのにだいたい一日かかることになる。仮組してはマーキング、穴あけ、そしてステーの切断、などなど。ショップでこれをやってくれ、と頼んだら渋い顔をされるのではないかな? ( ̄ー ̄)ニヤリ
輪行を毎回するような人だと泥除けを潔く2つにぶった切ってしまって、分割式にする人も見かける。私はあまり泥除けを加工することをよしとしない主義なので、固定式である。固定といっても上ブリッジと下ブリッジの二箇所のネジを外すだけなので、大した時間がかかるわけではない。
この分割金具もランドナー専門店などには置いているようだが、最近は滅多に見かけなくなった。だるまネジなども専門ショップから通販で買っている。普通のショップにはまず置いていない。
凝る人は、泥除けの先端加工などに金切りバサミでカットし、ヤスリで仕上げてかっこよい形にする、という人までいる。私はそこまでしていない。(^^)
だいたい、日本という国に住んでいると3日に一回くらいは雨なのだから、もっと泥除けの需要が広がってもいいように思うんだが、最近はスポーツ志向の強まりで、スポーティな外観がもてはやされ、私のようなオジンの出る幕はなくなっている。
遠い昭和の頃のサイクリングブームの写真を見ていて懐かしんでいるのであった。
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