私のとっておきのコース。古座街道。
サイクリストなら誰でも自分だけのとっておきのコースというのがあると思う。私の場合、遠方だが、過去に何度も走っているとっておきのコースが古座街道である。ここは、かの司馬遼太郎氏の街道をゆくの8巻に収められている古座街道である。海から山一つ越えてちょっと入っただけなのに、道路の両側には苔がびっしりと生えていて、雨の多さを物語る。
興味のある方はこのブログの検索で古座街道と入れるとぞろぞろと出てくると思う。何より、いいのは、それほど、峠もきつくなく、滝があったり、奇岩がいっぱい出てくるところだろうか。途中には秘湯の美女湯温泉もあって、旅の疲れを癒やすのにちょうどいい。温泉は午後14時くらいからやっているようなので、ちょっと遅めの出発でちょうどいいかもしれない。
このコースで特筆したいのが一枚岩あたりからの下流域の風景である。巨岩があって、屏風のようにそびえ立っているのを最初に見たときはびっくりした。山がまるごと一つの岩でできていて、それこそ名前どおりの一枚岩なのであった。カメラのファインダーにかなり遠距離からでないと収まりきれないほどだった。
この古座街道には自転車によるアプローチの他にも夏場のカヌーの思い出もある。紀伊半島屈指のアウトドアの拠点だ。ただし、都会からはあまりに遠いため、あまり人がいない。それで、観光づれしていないのが、魅力である。
R371は、最近になってバイパス工事が進み、せっかくの風景が台無しになってしまった。肝心のいいところがショートカットされてしまったのである。それで、私はわざわざ行くと、遠回りに昔の街道を探り出して、走っている。
古座川は蛇行を繰り返しながら、淵になったり、瀬になったりして流れている。地名もまた魅力だ。一雨と書いていちぶりと読む。このような珍名があちこちに見て取れる。
夏中、古民家を借り上げて、釣り三昧の生活を送っている男性と出会ったのもこの古座川であった。おじさんは弾けるような笑顔で、釣りをしていて、途中、引っかかった釣り糸を潜って取った。その間、釣り竿を持たされたのがカヌーをしていた私だった。盛んに借りている古民家に寄っていってくれ、と言ってくれた。
最近は、カヌーはやっていないが、道の駅一枚岩は立派になり、中で食事もできるようだ。
今度は寄ってみようかと思う。
雨の一日、ツーリングの空想に耽るのであるが、今月は後半連休が2つあるため、そのどちらかで古座行きをやろうかと思っている。古座は輪行だととんでもなく遠く、お金もかかるのであるが、カーサイクリングだと実際近い。
晩秋の古座もいいもんだ。
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