バーテープについて。セラックニスのこととか。

自転車の消耗品で一番取り替えが多い部品がバーテープではないかと思う。バーテープはドロップバーに巻くあのテープのことである。材質はいろいろあるようだ。最近は、カーボン柄とかが流行っているらしいが、私の古風な自転車には似合わない。それで、私はどうしているのかというと、昔ながらのコットンのバーテープを巻いて、上からご丁寧にセラックニスという塗料をたっぷりと塗り固めているという具合である。

このセラックニスについてちょっと書くと、元々はフランスの古い工房でやっていたバーテープの固定法だそうな。コットンのバーテープは使っているうちに解れてきて、特にバーのカーブのあたりが破れてハンドルの地金が見えてきたりすることがよくある。私のも今、そうなってきている。そうなると、握ると冷たいし、見栄えもよくないので、そろそろ巻き替えか、となる。

コットンのバーテープは雨にも弱く、水が染みてきて、握っているととても冷たい。ジメジメして気持ち悪い感触となる。不思議なことにセラックニスというやつは、乾くと耐水性を発揮し、水に強い性質である。それと樹脂で固めることになるため、ほつれにくくなる。また、色映えもよく、どんなフレームカラーにもマッチする。これらが気に入って、私は好んでこの古風なやり方をやっている。

セラックニス は、大きめのホームセンターにも売っているが、こだわるなら、樹脂の塊を買い、それを無水アルコールに溶かして、作るというのがいいだろう。好きな濃さに調整できるし、無色のものも売っているようだ。元々は楽器の修理用に使うものらしい。

セラックニスはラックカイガラムシという昆虫がインドあたりで飼われていて、それが植物を食べて出す樹脂のことらしい。不思議なことにアルコールにのみ溶ける性質があるため、ニス塗りに向いている。

他にもバーテープの高級品には牛革製もあるが、こちらは、上等なものでないと途中継ぎ目があったりして、強く引っ張るとちぎれたりする場合もあるようだ。もっとも私は、そんな高級品は希望しない。しょっちゅう輪行するし、もたせかけたりして、すぐに傷が付くので、やはりバーテープは消耗品と割り切っている。

カラーリングでもっとも自己主張できるのもこのバーテープである。次は何色を巻くかという楽しみもある。しかし、使い古して固着したバーテープを外すのは至難の業である。

ブランデーのような芳香に酔いしれながら、休日にのんびりとセラックニスを塗る私なのである。
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