今の自転車が忘れてきたもの。それはメンテナンス性。

 今どきのロードバイクを中心とする自転車は、みな、ワイヤー類が内蔵されておしゃれだ。見た目重視である。しかし、その反面、メンテナンス性が悪い。(T_T)

複雑なルートを経たインナーワイヤーが経年劣化で途中でほつれたりすると、抜き取るのも新しく差し込むのも厄介だ。

私が、昔のランドナーやロードレーサーに憧れるのは、そうしたメンテナンス性が非常にいいからである。ブレーキワイヤーも上出しのフーデッドレバーだと、インナーワイヤー交換などすぐできる。変速ワイヤーもしかり。Wレバーなので、見た目で不具合箇所がわかるし、すぐに交換調整などできてしまう。出先であっても対応可能だ。

しかし、今どきの完全内蔵タイプなどになると、一旦トラブルが起こると、出先ではもうお手上げである。

だから、私が何台も自転車を作ってきても、みな、こうしたメンテナンス性を重視した作りにしているのである。クラシカルに映るかもしれないが、このほうが絶対合理的だ。

自転車は所詮は道具であり、いつか不具合が起こるものである。だから、その不具合が起こったときにすぐ対応できないとまずいことになる。

特に旅の道具としての自転車の場合は、辺鄙な場所での修理を覚悟しないといけない。また、私のように地方の田舎町に住むものにとっては頼れるプロショップもあまりない。

だから、自転車の組み立てから修理まで全部自分でやってきた。こうした経験から言えるのは、自転車は簡単に修理や整備ができないといけないのではないか、ということ。

もてはやされる油圧式のディスクブレーキであるが、一旦、出先で不具合が起こったらもうお手上げだ。

最近は、自転車版のJAFもあると聞く。まあ、そういう事情だから納得である。

今度、改造を予定しているケルビム号はまだ、初期のシマノの触覚タイプのSTIレバーがもともと付いていたのであるが、私がいじりすぎて壊してしまった。(T_T)

アルテグラの高価なSTIレバーだったのだが、内部のスモールパーツが飛び、どこかへ消えた。それでブレーキは効くものの、変速が効かなくなった。

それでお蔵入りである。

今は、吉貝のWレバーをダウンチューブにバンド止めで取り付けて、ブレーキと変速を分離しているが、このほうが機構的には簡単でトラブルが少ない。修理も簡単だ。

もう一度、自転車の機構は原点に立ち返るべきだと思う。電動変速なんて思っただけでゾッとする。もし、トラブったら、もう駄々をこねてビクッともしない。帰還さえ困難になると思われる。

一番の害悪はチューブレスレディのタイヤだ。中にシーラントを入れて密封してチューブをなくし、車のタイヤと同じような構造になっているが、私は使いたいとも思わない。ああいう得体のしれない相性を要求されるような機構は受け入れられない。

いくらマニュアル通りにしていてもビードが上がらない、などとはよく聞く。

そもそも機構的に無理があると思う。パンクしたりしてもシーラントを充填して修理するようだが、大きな穴の場合は漏れ出てきて、あたりが修羅場となる。

こちらも帰還が困難になると予想される。旅自転車としては失格だ。

なんで、こんなへんてこりんな方向に進化してしまったのだろうか。

本当に残念である。

昔ながらの自転車に乗って、私はよく近所をポタリングしているが、パンクしても焦らないし、メカトラブルがあっても帰還は容易である。簡単な機構こそが自転車の命だと思う。

リムブレーキで十分でしょ。手でえいやっ!ってやれば、片効きもすぐ治るし…。

やっぱりシンプルイズベストですよ。

(=^・・^=)

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