古い規格の工具のはなし。終活とか。

私は、古い規格の自転車を好んで乗っている。コラム経が1インチの鉄のフレームの自転車が好き、というとわかりやすいかもしれない。

ちょっと30年ほど前まで標準だったクロモリのフレームである。最近は、オーバーサイズのコラムやもっと太いコラムのカーボン車が隆盛していて、1インチのフォークを探したりするのに難儀することが多い。

鉄の材料のフレームは少々のことでは、修理して乗り続けることができるのがメリットである。組み付けに関しては、だいたいひと揃い工具を揃えた。ただ、各ねじ部のスレッドをさらう切削工具はあまり持っていない。登場機会があまりに少ないうえに高価だからだ。

しかし、最近、この手の切削工具もできるだけ買う方がいいのかどうか迷っている。というのも前に紹介したフランスの老舗工具メーカーVARの80年カタログがあったと思うが、あのカタログに登場する工具のほとんどは姿を消した。理由は、自転車自体の規格が大幅に変わってしまったのと、素材も変わってしまったこと。それにロードバイクが全盛となり、泥除けの付いたツーリング系の自転車が少なくなったことなどがあり、ほとんどのユニークな工具が姿を消している。たまにebayなどで中古のVAR工具を見かけるが、高い。

私の自転車人生も残り30年ほどか…。
しかし、その間に自転車をいじれるのもわずかとなった。今、考えているのは、残りの切削用の専用工具を揃えるかどうするかだ。マニアの立場としては揃えたい気もする。しかし、滅多に使わないのでもったいない、というのもある。

自転車の規格が盤石で絶対に変わらないだろう、と高を括っていたのだが、案外時代が過ぎると全然違う規格が登場し、昔の工具は忘れられていく。今、揃えないと手に入らなくなる恐れが大きいのである。特に1インチのヘッドチューブの切削工具とか、コラムのダイスなど。

もう一つの問題が、私が死去したら、今の自転車部品、自転車、工具類などなどは、どうするのか…。後継者もいず、たいていのマニアが死去後のことを考えていないと思うが、最近、仕事柄、そういう終活場面に遭遇することが非常に多くなってきたので、真剣に考えてしまうのである。何かに取り憑かれたように収集している趣味人の場合、死去後の処理が困難を極める。

今、工具は日常的に使うものとして1箱。その他、専用工具は3箱に分けて収納している。これ以上増えるとまずい、というのもある。

しかし、自転車というのは、一般の道具と違い、各部に関して、それぞれ専用のユニークな工具が存在し、蒐集欲をかきたてられるのである。後少しで専門店に引けをとらないレベルまで来た。(・∀・)

いっそ開業したら?なんて冗談で言ってくれる人もいるが、失敗するのは見えているので、しない。(^^)

引退を決めたら、だれかにごそっと寄付しようかと思ったりする。できれば、クラブなどに寄付して長く自転車整備に活用してもらえれば本望だが、それはまだまだ先の話である。ゴミとして捨てるのだけは避けたいな、と思う。
(=^・・^=)

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