サイクルトレインという夢。

全国各地の鉄道で静かに広がってきているのが、自転車を丸ごと列車内に持ち込めるサイクルトレインというやつ。これは、限りなく面白い実験だ。今まで鉄道は人と手荷物だけ、という固定観念を打ち破る画期的なアイデアである。

自転車と鉄道は非常に相性がいい。例えば、ここ紀の川市のような田舎の町では、ちょっと離れた和歌山市とかへ買い物に行くには、皆、鉄道を使っていた。それが、駅前からの足がない、となるととたんに不便で、皆、自家用車に乗り換えた。おかげで通勤、買い物は皆、マイカーとなった。

和歌山線などの鉄道は、平日昼間はほとんど閑古鳥で、人気がない。ここに自転車を自由に持ち込めたら、買い物客も戻ってくるかもしれない。自転車は、自動車ほど駐車スペースを取らないため、町が広く使えるという利点がある。

昔、JRがやっていた駅リンくんというのをよく利用していた。これは主要なJRの駅にレンタルサイクルを置いていて、時間や、月極で借りられるという便利な自転車のことである。私も和歌山市西浜の方へ通勤していた頃、借りていた。これは安くて、非常に重宝した。

ちょっと雨の日とかさえ、我慢すれば、快適に通勤できた。もっと広がって欲しいサービスである。

紀伊田辺駅〜新宮駅間のサイクルトレインであるが、非常に助かる。欲を言えば、和歌山県内全線をサイクルトレインにしてほしい。そうすれば、私など、もう輪行する必要がなくなる。自転車自体も固定泥除けで十分ということになる。

しかし、和歌山県内の人口減が止まらない。このままでは恐らく鉄道利用者も減る一方だろう。サイクルトレインはその予防策として、一石を投じるアイデアである。

ぜひに県内全線の鉄道をサイクルトレインにしてくれたらと思う。

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