絶滅したボスフリーに想う。

 昔は、フリーといえば、ボスタイプのものが主流だった。手に取るとずしりと重い。しかも難儀なのが、このボスフリー個体ごとに抜き工具が必要であるということ。しかも、その構造から、踏み込めば踏み込むほど固く締まっていき、経年変化したホィールだとなかなかボスフリー単体を外すことがかなわない。

この抜き工具をコレクションしている人がいるとか。酔狂な人もいるものである。アトムとか外国製のものは特にユニークな形をしていたな。(^^)

私は、国産のサンツアーのパーフェクトを好んで使っていた。だいたい13−24Tの5段だった。今は、あれだけ隆盛を極めたパーフェクトだが中古市場にもさっぱり見当たらない。あっても歯数が私好みではなかったりする。

構造的にみてもこのボスフリーをハブにねじ込むというのは無理があるように思う。シャフトに膨大な応力が発生して、よくハブの中空シャフトが途中で折れるという現象が起こった。しかし、ボスフリーごとに中に入っているベアリングの玉の音色が違い、その音色を楽しむという粋な楽しみもあった。シクロパンなどの仏製フリーは垂涎の的だったな。軽やかな音色でいつか、こういうフリーで組みたいと思っていたが、ついにかなわなかった。

一方、国産のもう一方の雄であるシマノのボスフリーは音色が静かだったな。こちらも抜き工具がややこしくてきちんと嵌まるものを揃えるのに一苦労だった。

最初に今のようなスプロケットが出たのはやはりシマノだったと記憶している。確かデュラエースEXとかという名称だったのではないかな。初めてみるスプラインの歯は斬新だった。パラパラと歯だけ、取れてくるのも驚きで、何より重量が軽い。トップ側の歯だけねじ込みになっていて、それを外すと後は全部ごそっと抜けた。

私も新し物好きで、さっそくこのハブを入手して、ホィールに組み込んでいたな。リムはウカイのスリムだった。非常に軽いホィールが組み上がった。まだ、この頃は手組をできなかったので、オーダー組で発注していたな。

タイヤがIRCのケブラービードだった。しかし、これ、嵌りが甘いのか、よく外れたな。驚きだった。パンクしたのかと思った。

今は、シマノの発明したスプライン式のスプロケットが主流である。もうハブシャフトが折れるような事故もない。

探せば、今もボスフリーはあるようだ。IRDとかが豪華なボスフリーを発売している。しかし、相方のネジ式のハブがない。(・∀・)

ハブ側のネジも規格があって、ややこしい。伊、仏、英と規格が違う。確認方法は昔のBBの左ワンをボスフリーのネジにねじ込んでみてすんなりと入れば、英規格である。

今は、ビンテージランドナーも所有しているが、後々のメンテを考えてフリーはスプライン方式のカセットである。それもグランボアのベトナム製6段を使用している。非常に快適。

今乗っている9段から乗り換えると、段数が少ないので新鮮である。変速可動域も少ない。元来これくらいの段数で十分だよな、と独り満足するのであった。

(=^・・^=)

コメント

人気の投稿