コッタードという古い形式が好き!

 私の愛する32Bのランドナーには、フランスはソリダ製の鉄コッタードクランクが取り付けてある。このコッタード形式というクランクは今ではもう絶滅しているらしく滅多に見かけない。

当然、シャフトやコッターピンなども入手難である。それでもこの古いコッタード形式にこだわるのは、子供の頃の想い出もあるからである。その想い出とは、わけもわからず、子供心にコッターピンをモンキーレンチでねじ切ってしまい、困り果てて、自転車屋さんに持ち込んだ。オヤジさんは、ハンマーとポンチで器用に叩いてそのネジ部の折れたコッターピンを取り出した。ほほぉー、こんな形状になっていたのか、とその時初めてわかったものである。

そして、新品のコッターピンに取り替えてくれて無事に家に帰ってきた。

この頃の町の自転車屋さんのオヤジは、どんな難題でもやってくれた気がする。コッターピンも斜度が微妙に違っているものがあり、左右でクランクが水平にならないとなると、その場で万力にコッターピンを固定し、平ヤスリで削って水平にもっていく、などという神業をやってのけた。

今どきの自転車屋でこのくらいの技量のある人がどれくらいいるのだろう、と思う。今は、なんでも使い捨てで本体ごと取り替えなどとなり、修理代も高く着く。

いつも当時の自転車屋に行ってはこの神業おやじさんのテクニックを見つめていたな。パンク修理などもお手の物で早いこと。工具箱は手製の木でこしらえた専用のものだった。すべてが、少年時代の憧れであったな。

そんなこんなで、コッタード形式というクランクには人一倍愛着があるわけである。オークションなどを見てもなかなかコッタードというキーワードはヒットしなくなってきた。出品数も少ない。たまにお宝が出ていることがあるが、法外な値段に手が出ない。

案外、クランクよりもシャフトの入手が難しいようで、昔あれだけ潤沢にあったシャフトが今は見当たらないようだ。見つけた時が買い時、というのはまさに的を得ているなと思う。

(=^・・^=)

コメント

人気の投稿