長距離という夢。

 自転車で遠方まで走るようになって久しい。最初は近所だけのポタリングで満足であった。それが、自転車も一丁前になり、ちょっと遠出して、隣町を越えて行くようになると、冒険心が刺激され、ますます遠出のサイクリングの虜になった。

サイクリングにのめり込むようになって最初の壁が100kmである。これを越えるのがまず目標だった。最初、紀ノ川沿いにずっと東へ向かい、橋本市を過ぎたあたりで達成感が出てきた。この距離で片道だいたい40キロほど。五條市を越えると帰りの距離も加算してだいたい100キロオーバーになる。

吉野町の外れにAコープなるショッピングセンターがある。ここで、だいたい片道55キロほど。往復すると110kmになるのである。それで、しばらくは、観光などとは関係ないのであるが、このAコープを目標に走った。まあ、距離は100キロ越えになるものの、平坦路であるから、じきに飽きてきた。

今度は、南方の方の新宮市を目指すようになった。新宮市にはなぜか惹きつけられるものがあり、以前はカーサイとか輪行でよく走りに行っていた。新宮市は作家、中上健次のふるさとである。小説も随分と読んだ。

この新宮市へ直接、自走で自宅から行けないか?と大胆にも考えてみた。ルートはすぐひらいめいた。五條市まで紀の川南岸を行き、丹原からR168へ入って天辻峠を越えて南進する、というルート。これなら、川沿いに下るコースとなるので、一番楽に行けるかもしれない、と考えた。

実際走ってみると、日足あたりからの距離が案外遠く感じられ、漕いでも漕いでも進まない感じだった。それにカーブを曲がるごとに強烈な向かい風に苛まれ、行く手を阻まれた。

ドロップの下ハンドルを握って、風の抵抗を減らし、必死に向かい風と格闘する。

新宮市に着いた頃には午後14時過ぎだった。朝4時に出ているので、ほぼ10時間くらい自転車に乗りっぱなしの格好になる。総距離164km。

しかし、ブルベの世界を知ってから、ほんの少しの距離だと思えるようになった。私はまだブルベに出たことはない。正直完走する自信がないから、出ない。たぶん、ペースがかなり遅い部類になるので、DNFになるかと思うのである。

距離を走ることはできても制限時間内に走る自信がない。

しかし、ブルベの動画をいつも拝見しているとつい見入ってしまう。人から認定される、ということの意味合いが参加者のモチベーションになっていると思う。

マラソンと似ているかもしれない。

しかし、1000kmのブルベとかがあるそうで、動画で見ているが、壮絶である。完走する人が凄いと思う。

最初、自転車を趣味として始めた頃は、人力でそんなに距離を走れるものだろうか、と思っていたが、実際、自転車は素晴らしい機動力である。人間エンジン次第ではどんなに遠方だろうと走りきれる、と断言できる。

これからものろまな亀ながら、マイペースに走り続けようと思う。

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