やけに冷える。温泉が恋しい。

 霜月か。もうすぐ11月である。毎年、この頃になると持病の神経痛が痛むことになる。肋間神経痛。焼け火箸を肋骨に差し込まれているほど痛い。不思議なことに温泉に浸かりにいくと、ピタッと止まる。

コロナ禍で長らく温泉にも浸かりに行っていない。そろそろ行きたいな、とか考えている。私は無茶であるが、よくサイクリングに行くと行き先で呑気に温泉などに入ることが多い。

別に急く旅ではないのであるから、ゆっくりしていけばいい。行き先々でいろんな温泉に巡り合う。いつか紀伊半島のど真ん中を横切る安川大塔林道を走ったことがあった。あのときは、全線アプローチを輪行という無茶振りで、新宮駅に着いたのが昼頃。めはリ屋で名物のめはり寿司を食べ、意気込んで川湯側から大塔林道に入った。

長いダート区間を延々押し歩き、ヘトヘトになって頂上の大杉トンネルを抜けた頃にはもうあたりはまっ暗闇。ホタルの光のLEDライトで麓に降りてくると、そこに乙女の湯、という温泉があった。しょぼ降る雨の中、冷え切った身体に染み入るようなありがたい温泉であった。

湯船に使って目をつぶると先程越えてきた林道の風景が蘇る。外はまだ雨が降っているようである。温泉のカウンターの人と一言二言言葉を交わし、再び、もたせかけたランドナーにまたがって朝来駅を目指した。

温泉に入ると疲れる、という人がいるようだ。なんだかわかる気がする。全身の筋肉がほぐれ、もう頑張らなくていい、と身体が勘違いするのだろうか。仲間と走ると、まず、途中、温泉に入るなどということはない。

それで、私は極力ソロで行くのが好きだ。古座街道ももう何度も走っているおなじみのコースであるが、途中、一枚岩手前の対岸に美女湯温泉というのがある。林道工事中に偶然湧き出したといういわくつきの温泉だ。ここは安い。確か300円ほどだったか。

親父さんと話すところによるとライダーの人が多く入っていく、という。隣の畳の休憩室にはマンガ本が積んであって、それを寝転がって時間も忘れて読み耽っていた。

今は、コロナ禍なので、村人限定だそうだ。残念。

そろそろ、美女湯温泉近くの三尾川の光泉寺のイチョウの木が色づいている頃である。一度見に行ってみたい気がしている。

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