【レポ】2024.04.17-18_串本自転車旅行の巻
●今回のコース。↓
二転三転する天気予報を横目に私は、串本あたりへ1泊2日の自転車旅行を企てていた。昨日の午後無事に帰還している。
まず、二日間の旅程であるが、JR周参見駅前の駐車場に車を今回もデポ。ここからスタートした。一日目はまず、海岸線である。風光明媚な枯れ木灘を一望しながらのご機嫌コース。多くのサイクリストがこの風景に憧れて、ここにやってくる。
17日は、追い風基調。楽勝である。午前10時半。周参見駅に到着した。まだ、すさみ食堂が開くまで時間がある。車の中で休憩する。まず、腹ぺこなので、腹ごしらえしてから走ることにした。
すさみ食堂へ行くと、ちょうど暖簾がかかって営業開始のときだった。店主のおばちゃんに挨拶し、入店する。ここへ来たら、ぜひ食べたいのがさんま寿司である。この辺の名物で、串本育ちの私もいつも母が家で作るので、よく食べている。本場のさんま寿司は絶品である。これで1000円しないのだから、驚きだ。
平らげてすっかりごきげんな私である。店主と周参見界隈の話で盛り上がる。私も串本育ちなので、最近の町の変貌ぶりに驚いています、と言うと、店主も周参見あたりも高速道路ができてから激変ですよ、と言う。官公庁の建物の多くが奥地のICあたりへ引っ越したとか。みな、津波対策のためだそう。
相当危機感持たれれいるんですね、と言う。一人の旅人が入ってきて、この男性もすかさず、さんま寿司を注文。テイクアウトでした。
かなり有名なんですな。(^^)
さてと、腹ごしらえもしたしでのんびりとLSD(long slow distance)で今日も行きますか。
道の駅イノブータン王国だって。あのブータン王国とは関係ありません。念の為。(´Д`)
しかし、平日のツーリングはいいですな。誰もいない。静かで周参見本来の良さを実感できますよ。これだから、私は平日が大好き。
やがて恋人岬。ここも誰もいない。沖に見える2つの島を写真に収め、愛車も記念撮影。今日は東叡の32B車である。
やっと最近、本格的に旅行に使用している。あちこち傷が目立ってきたが、勲章だと思い、主は全然平気である。
しかし、この海岸線コースはアップダウンがキツイな。登ったり下ったりで、もうヘトヘト。それに道路片側交互通行が多いな。平日だから仕方なし。
ところどころ、風景のいいところを止まって写真を撮る。それでもハイペースだ。この分だと串本には昼過ぎに着いてしまう。実際、そうだった。13時頃到着。(^^)
串本の手前にJR紀伊有田駅というのがある。無人駅であるが、ここが最近、にわかに脚光を浴びているのである。理由は駅舎全体がアート!その内容はサイケデリックなデザインでこういう柄のTシャツがほしいくらい。海をテーマにした内装と外装が素晴らしい!
写真映えするので、ぜひに来てみてほしい。ここでしばらくジュースを飲んで休憩である。無人の駅舎を吹き抜ける風が心地よかった。眼の前は小学校で児童のにぎやかな声が聞こえるが、少子化のせいか、やはりどこか寂しい感じがする。
ここも急ピッチで建設中の高速道路の影響で警備員があちこちに立っていた。もう来年開通だもんな。早いものである。そうなると串本はますます近くなるな。イイのか悪いのか…。
紀伊有田駅を後にして、串本中心部へ入った。さて、ここでみなさん悩むと思います。潮岬へ行くにはちょうど巾着のような形なので、時計回りと反時計回りとあるのですが、どっちが正解か?
答えは、時計回りです。これ、元地元民の私が言うのもなんですが、上浦の上にある馬坂という激坂がエグい!これを登らされるとたまったもんじゃない!だから、出雲の方から時計回りで行くのですよ。
紀伊大島を見ながらぐるっと回って岬タワーまで来ました。ココらへんも懐かしいなぁ。子供の頃、よく泳ぎに来てましたっけ。(^^)
岬に到着すると、望楼の芝ですが、今は車両進入禁止だとかで、恒例の本州最南端の碑の前での愛車の記念撮影ができません。_| ̄|○ ガクッ。
仕方ないので、売店のラックに愛車をくくりつけて、ぶらつくことにした。
沖を行くタンカーが交互にすれ違っています。風が吹いていて、心地よい。何組もの観光客が来て、写真撮影大会。
ま、ここまで来ると今宵の宿の古座のゲストハウスまではすぐ。焦りません。
たっぷりみかんソフトを食べて、休憩。さて、ここからはヒャッハーの下りです。一気に串本駅あたりまで行きました。
次は定番の橋杭岩。ここももう何度も来ているので、そうそうに写真を撮って退散。相変わらず観光の人が多いな。
ここから少しで古座。九龍島が見えております。無人島だそうな。母がよく泳いで渡ったって聞いている島ですな。
ゲストハウス南紀くまのいえはすぐ、わかりました。到着が15時45分。ピンポーン♪ しかし、返事なし。電話をかけてみても留守のようです。仕方ないので、古座駅まで戻り、時間を潰すことに。
駅舎内に座って休憩。ここは駅舎内に観光協会も入っているのです。来月仲間とカヌーをやりに来る予定。(^^)
今回はその下見も兼ねております。
しかし、時刻表を見ると列車本数がない!(・・;)
数時間に一本だけです。周参見の食堂の店主とも話したけど、今は学生さんの通学以外乗客がいないのだとか。それで、登校時間、下校時間以外の列車がないと…。
もうきのくに線も廃線が間近に感じられます。そうならないことを祈るのみ。
さて、スマホが鳴った。ゲストハウスのオーナーからだった。返事し、さっそく向かうことにした。
古座川にかかる橋の上から今宵の宿の方角を撮影。JRの線路が近いので夜行列車の音が聞こえていい感じですな。
着いてみると、医院跡を改装したそうな。きれいにリフォームされていて、通された和室は二階でした。フロントバッグを置き、人心地ついた。畳に寝転がって今日撮った写真を見ます。
なんか実家に帰ってきたような錯覚です。ゲストハウスというのは必要最低限のサービスでその分、お値段を下げているというコンセプト。台所とか一通り案内されて、食事を近所のオークワへ買いに行くことにした。ぶらぶら歩いて向かう。
何を買うか。まず、弁当だ。チャーハンとなぜかたこ焼きを買い、缶チューハイを二本購入。
今宵はこれでやりますか…。
ま、そんな感じで一日目の夜は更けていくのでした。子守唄のように近くのJRの電車の鉄橋を渡る音がいい感じだ。
●
翌朝8時出発。
さ、今日は本格的な山岳ライド。将軍川林道経由で日置の坂を越えて最後に周参見に至る、というマニアックなコース。オーナーに説明すると素敵なコースです!と絶賛された。このお宿、サイクリスト特化のお宿で、寝間着用のスエットシャツとズボンを貸してくれた。ありがたや。
おまけに愛車も屋内保管ですよ。オーナーもサイクリストらしく、愛車を何台か保管していた。
さてとまずは道の駅一枚岩である。ここに至る道もマニアな私のこと素直にR371では行きません。当然の旧道コース。一雨あたりから旧道に入り、古座街道の雰囲気を堪能しながら、行きます。妖怪が出てきそうな雰囲気の奇岩がたくさん道の脇にあります。
オーバーハングしていて、落ちてくるんじゃないかと思うほど。
愛車をもたせかけて一枚。
立合あたりでぐるっと遠回りである。その後も蛇行をしながら、気がつくと道の駅一枚岩の手前に出てきた。
モノリスというらしい。このうなぎのようなユニークな建物。本当は、ここでジビエのカレーなどをいただきたかったのであるが、まだ、時間が9時すぎなので、無理。
ちょっと離れたところから写真を撮ると、この巨大な一枚岩が入る。
トンネルを抜けると天柱岩。それぞれの奇岩に名前が付いていて面白い。
七川ダム手前の三尾川橋の分岐点。渡ると美女湯温泉へ行けるが、まだ午前なので、やっていない。残念。
本道のR371を行く。だんだんとダムへ向かって勾配がきつくなる。ローアンドローでのんびり回す。やがて七川ダムである。佐田という地名だ。
ここの郵便局舎が古くて渋い。
今津橋を渡っていくとトイレがあるが、今日はパス。
さて、七川とはよく言ったもの。川筋がいろいろ流れ込んでいて、それぞれに道路が分岐している。どれも素敵なツーリングルートだ。ただ、この辺まで来ると紀伊半島最深部となるため、脚力に自信がないと日帰りはキツイ。
私は、今日、添の川ルートで将軍川林道へ入る。案内看板まで激坂で押したり乗ったり。着くと分岐点に休憩のベンチがあったので、小用を済ませ、座る。ここでまず食料補給。ソイジョイを一本いただく。ダカラで流し込み、休憩。
ここから先、人家があまりない。熊出没注意の看板があちこちに出るようになる。
それにしてもこんな紀伊半島最深部に高規格道路とは?一体誰が通るというのか。予算消化のための工事としか思えない。しかも市鹿野もこちらの添の川も両端とも途切れているし…。
ま、ぼやきながら激坂を行く。ビィンディングペダルを止めたおかげで漕ぎやすい。というか、激坂途中でもし足が攣ってもすぐ降りられるので怪我がない。
それに降りたあと押しやすい。歩くのがこんなにも早いとは。
添の川トンネルである。中は照明がない。真っ暗。漆黒の闇をボルト400の光が照らす。この安心感といったら。
どうにかこうにか漕いで出る。恐怖感はない。私は不思議と亡霊だ、なんだと信じない。科学的思考である。
いよいよ将軍川林道ピークに向かってつづら折りの開始となる。もう乗っていけないような常識外の激坂なので、当然の押し歩き。
延々30分ほど押しただろうか。ようやく小さな切通のピークに出た。ここからは市鹿野手前まで下りである。清流の将軍川に沿ってヒャッハーな下りであるが、あちこちに熊の看板が出ているので、気が気ではない。写真を撮るのも怖いので、早々に下って早く抜けたい一心だ。
もし前方で出くわしたらもうアウト。後方からだとまだ下りなので、なんとか振り切れる。
ニホンミツバチの蜜を取るための桶であるゴーラを見かけるが、いくつかひっくり返っているのがあった。きっと熊が蜜の匂いを嗅ぎつけ、やったのだろう。
あー、怖い怖い。(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ハンドルにぶら下げている気づきベルを掴んで鳴らしまくる。やがて将軍神社。ここは恐らく私の知る限り、もっとも到達するのが困難な神社だろう。秘境である。
崩壊していた鳥居は見事に再建されていた。
林道脇から流れてくる湧水が道に溢れているが、今日はポリカーボネートの泥除けにシリコンゴムの自作フラップを付けてきたので、楽勝である。
市鹿野手前まで来た。ココらへんで廃校跡があるらしいのだが、よくわからなかった。ま、あったとしても熊の一件があるので、調査はできそうもないが。
市鹿野の手前に小さな峠がある。これがなかなか手強い。容赦なく脚を奪っていく。押し歩きももう慣れた。それより、私にしてはタイムが早いのだ。まだお昼である。
市鹿野は隠れ里のような集落。田んぼを鋤いている男性が鈴の音に気がついてこちらを見ている。のんびりしている。時間が止まったような村だ。
ここに廃校ホテルっていうのができたらしいのだが、グーグルで調べてもやってなさそうだった。やってれば、こちらに宿を取ったかもしれない。(^^)
市鹿野を後にして、やっと日置川に遭遇。大きな川である。これで、本日古座川から日置川まで走ってきたわけだ。ここから下り基調だと思うが、実際、これが甘い。結構アップダウンがあって、脚にくる。
トリプルギアをこまめにチェンジしながら乗る。ランドナーの真骨頂。これが楽しい。
日置川に川下りをしている三人組が小さく見えた。GWになるとたぶん物凄い混み具合だろうな。
民宿森のお宿まで来た。最初、ここに泊まろうかとも思った場所。もう残り少しだ。
時間を見ると13時半である。早いなぁ。あれだけの激坂ルートなのに5時間程度か。私にしてはすごいじゃないか!と自分を褒める。
日置川はゆったりと流れていて、まるで大陸の川のよう。向平キャンプ場あたりは格好の撮影スポット。やがてえびね温泉。ここから登り返しがエグい。
安居の渡し場。前から気になっていた。今日は時間があるので、寄ってみることにした。
熊野古道大辺路の難所。日置川の渡し場跡である。行ってみると金網のゲートがしまっていたが、自由に開閉できるようだ。
田野井橋を渡って未知のエリアへ。今日はこのルートを経て、日置の坂を登って、海岸沿いを行く予定。実際、走ってみると、こっちのほうが絶対にイイ。車が来ないし、風光明媚。その分、猿が居たり、猫が居たり、日置のあたりの風景が良かったり、映えスポットばかりである。
今はR42はこの風光明媚な日置の坂の区間を長大トンネルで抜けてしまっているので、まったく味気ない。
もうラストだ。もう周参見は目前である。
カーブを曲がると懐かしい風景が見えた。周参見である。ケンケン鰹の看板が見える。今日はケンケン鰹を食べられなかったのが心残り。また次回だな。
14時40分。無事に周参見駅前駐車場に帰還。なんと6時間40分で今日の過激なルートを走りきった。これは立派だと思う。もうヘタレとは言わせない。(^^)
総距離も100キロ近くである。
自宅に戻ったのは17時であった。
(=^・・^=)
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