ニューサイクリング誌の思い出。

 昨日は、午前中、クラブモデル車のクランクを換装するのに時間を費やしていた。今どき、クランクにコッタードですか?なんて驚かれるかもしれない。しかし、この鉄のソリダコッタードクランクには思い出が詰まっている。

買ったのは確かNC誌の片隅に乗っていた川村技研の広告だったかな。当時、ここはVAR工具の代理店だったりした。確か、新宿あたりに店があったのかな。

ここで偶然見かけたソリダの鉄の細身のクランクに魅入ってしまった。当時価格で5000円ほどだったと思う。誰も見向きもしない鉄の重い部品である。コッターピンだけ欠品だったので、長らく付けられず、放置されていた。

高校生の頃のお話。

やがて忘れていたのであるが、ひょんなことから部品箱の底の方から引き上げられ、日の目を見たのである。インターネットの時代になって情報が入るようになり、コッターピンを探すのも楽になった。

ネットで様々な規格のコッターピンが手に入る。これは英式なので、径が9.5mmである。日本国内で流通していたものだ。

割と入手しやすいかな。ヤフオクでも見かけるし。

そして、また、復活して付いている。触ると当時を思い出す。もう40年以上前の昔だ。当時は私も若かった。少々のロングライドで無茶をしても走り通せた。輪行は滅多にしなかった。自走派であった。

当時は車も持っていず、全線自走。当然、家から半径100キロ圏内はすべて走りきってしまった。でも、当時は楽しかった。コンビニもなく、ちょっと奥地へ行くと地道だった。

ボロボロのもらったフロントバッグにおにぎりなどを持参し、お茶も入れて遠出していた。

クランクもジュニアスポーツを改造した自転車だったので、鉄のコッタードだった。

当時は車重とか気にせず、ガンガン走っていた。若かった。カメラも持っていなかったので、当時の写真は残っていないが、とにかく一日中夢中で楽しくてしょうがなかった。

ベテランサイクリストの存在を知ったのは当時やっと本屋で見かけたNC誌を知ってからだ。私は先にサイスポ誌を定期的に買っていた。しかし、NC誌という雑誌があるのを知ったのは和歌山市内へ行ったときのこと。ちょっと大きめの本屋に入ったら、薄いその雑誌はコーナーの片隅で2、3冊残っていた。

読むと、驚愕のうんちくの世界。知らなかった秘密の花園に触れた瞬間だった。それからと言うもの、NC誌を売っている本屋を片っ端から探し出し、買った。

いつも在庫が2冊とか少なかったので、早いもの勝ちであった。発売日になるとすぐ出かけた。やがて巻末に定期購読の案内が乗っていたので、申し込んだ。これで安心して毎月読めた。

NC誌にはユニークな広告がたくさん載っていた。長谷川自転車商会さんのものや、天王寺のトモダさん、で、先に書いた川村技研さん、他にもユニークな部品を作る工房などの広告もあったな。

それになんといっても別冊のシリーズが泣かせる。今も手元にあって重宝しているのは新田眞志著、「自転車メンテナンス」アテネ書房、1995である。

他にもマニア心をくすぐるような内容の別冊がいっぱいあった。ディレーラーコレクションというのもあったな。内容は全面変速機のオンパレード。欲しいが今は古書価格も高騰しているようだ。

あれから40年以上経つから、ほぼ当時の著者たちはもう亡くなっている人が多いだろうな。

私とて、来年は還暦である。(゚∀゚)

シニアの仲間入りを前にして当時を懐かしく思うのである。今はもうNC誌は休刊状態。代わりにほそぼそとサイクルフィールド誌を熟読している。

早朝に起きて、あんた、何をやってるの?って思われるかもしれないが、ダウンロードして貯めたサイクルフィールド誌を読み漁ったりしているのであった。

こうしたNC誌的世界に共感を持つ人というのは限られる。あの時代をランドナーという車種で走っていた世代というともう私より年配者ばかりだろう。

だから、こういうランドナーの集いのような機会に参加すると、年配者ばかりだ。

しかし、当時のNC誌の林道の探訪シリーズは良かった。確か、1981年3月号だと思うが、伊豆の長九郎林道が良かった。もう一度読みたい。堀田くんの旅から旅も良かった。

大きな図書館へ行けば、バックナンバーが読めるだろうか。気になったシリーズだけでもコピーしたいと思っているのだが…。

(=^・・^=)

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